自己破産することで年金滞納分は免責になる?破産と年金の関係を徹底検証しました。
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こんにちは。
これまで5032件の借金問題を解決してきた、ひまわり司法書士法人の本松です。

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年金支払いの滞納が続いている場合、自己破産で免責になるのかな?自己破産したら、年金の滞納分も払わなくても問題ないですか?

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自己破産しても年金の支払義務は免責されないので、支払わなければいけませんよ

自己破産したらをすることで借金とともに、滞納していた年金も支払わなくていいか疑問に思っている人は多いですが、 結論から言いますと自己破産をしても滞納していた年金保険料は免責になりません。  ここでは、自己破産と年金の関係について詳しく解説していきます。

自己破産しても年金滞納分は免責されない

自己破産により支払い免除される対象は、あくまでも民間からの借入の支払いのみで、年金保険料の支払いは自己破産による免除の対象外です。そのため、自己破産しても年金滞納分は免責されません。

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このことを「非免責債権」といいます。非免責債権は年金保険料の他にも、国民健康保険料、住民税、自動車税、固定資産税など、公租公課全般が該当します。また、養育費や婚姻費用などの扶養に係わる支払義務、交通事故の損害賠償請求権なども非免責債権に該当するため、免責許可決定を経ても支払義務は消滅しません。

年金保険料は非免責債権に該当するため、仮に自己破産が認められ免責が決定したとしても今まで滞納していた年金保険料は支払う必要があり、免責が決定した後に発生する年金保険料も支払い続ける必要があります。 自己破産を検討している相談者に対しては、破産後の支払いバランスを考えるためにも、年金滞納分が現在いくらあるのかを把握しておくようアドバイスするのが良いでしょう。

自己破産しても年金滞納を放置し続けると財産が差押えられる

自己破産しても、支払義務がある年金を滞納し続けると財産が差押えされます。なぜなら、銀行等の民間企業からの借入である「私債権」とは異なり、年金に対しては「自力執行権」が認められているためです。

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不動産の登記簿に「~市」などの自治体名義の差押えが入っていることがありますよね?これも自力執行権の一種です。年金や公租公課には自力執行権が認められているため、訴訟を経ずに強制執行ができるのです。

一応、年金保険料などには消滅時効があるため時効期間が満了すれば、時効援用により支払義務が消滅する可能性もあります。しかし、自力執行権が認められている以上、時効期間満了による支払い免除は期待できないと考えるべきでしょう。滞納分は給料などの差押えによって回収されるため注意が必要です。

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年金保険料の支払い等、公租公課は国民の税金で運営されているため、債権管理や回収がとてもシビアです。民間のどんな金融機関よりも厳しいです。しっかり回収しないと、他の国民に対して申し訳が立たないですからね。

国民年金は猶予、免除の制度がある

国民年金は自己破産による支払い免除はありませんが、保険料免除制度と保険料納付猶予制度があります。失業などの原因により支払えない方はこの二つの制度を利用し、国民年金の支払いを軽減することができます。 また、年金受給資格要件には一定の期間の保険料納付が必要ですが支払猶予や免除の手続きをしておけば、この期間を支払い期間に算入出来ます。

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後納制度という過去5年間の保険料で未納になっている部分がある場合、それを遡って納付することで資格期間を増やすことができる制度がありましたが、平成30年9月30日をもって制度が終了していますので注意して下さい。

保険料免除制度

所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得が一定額以下の場合や失業した場合により、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は申請後承認されることで、支払いを免除される制度です。

保険料納付猶予制度

20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合には、申請後承認されることで保険料の納付が猶予されます。

年金保険料を滞納していても自己破産することは可能

年金保険料滞納中の場合でも、非免責債権を除く債務に限り自己破産で整理出来ます。また、自己破産の際に年金滞納の事実自体が免責許可の可否に影響することはありません。

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但し、審尋の際に「今後、滞納している年金保険料はどのように払っていくつもりですか?協議はできていますか?」と聞かれることが多いので、審尋前には年金機構と分割払いの話を詰めておくことをオススメします。

滞納した年金保険料は分割納付を打診してみる

保険料免除制度や保険料納付猶予制度を利用することで、これからの支払いに関しては軽減することが可能ですが、既に滞納している年金保険料は分割納付によって支払いを軽減することが出来ます。 年金支払いを滞納し続けると滞納期間によって延滞税も増えますし、滞納を理由に一括請求される可能性もあります。まずは年金機構と今後の対応について話し合うことが重要です。

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自己破産後も収入が無く支払いが出来ないなど、支払い能力を著しく失ってる場合は「生活保護申請」を視野に入れるなど、柔軟な対応が必要となってきます

破産の申立人が現金・預貯金をそこそこ持っている場合のちょっとしたテクニック

破産申立を行い、開始決定が出た時点で20万円(東京地裁では33万円)以上の現金または預貯金を有していると、管財事件になってしまいますよね。

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同時廃止で進めたいんだけど、変に預貯金が多いからやりづらいな、、、という案件がたまにあります。

そんなときは年金保険料を滞納していないか依頼者に確認してみましょう。 年金保険料などの公租公課はそもそも非免責債権なので、滞納分を支払ったとしても「偏頗弁済」に該当しません。 裁判所としても公租公課の支払いはもちろん推奨しますので、現金・預貯金が多くて、同時廃止にするために有効的に財産を費消させたいなら、自己破産申立前に年金滞納分を支払うよう依頼者に勧めるといいでしょう。

「自己破産することで年金滞納分は免責になる?」まとめ

ポイント
  • 自己破産することで年金滞納分は免責されない
  • 年金滞納を放置すると財産が差押えられる
  • 国民年金は猶予、免除の制度がある
  • 年金滞納分は自己破産の可否には影響しない

自己破産することでの年金滞納分のポイントについて解説しました。 自己破産をしても年金滞納分は免責の対象とはなりません。また、銀行等の民間企業からの借入である私債権とは異なり、自力執行権が認められているため、給料などが差押えされる可能性があります。  

自己破産を検討されている人で、現在年金滞納をしている場合は、どの程度滞納分があるのかをしっかり把握しておきましょう。その上で、免除制度や猶予制度を利用できるかを市町村役場で相談しておくことが大切です。  また年金滞納分は分割によって納付することも出来ます。自己破産後の依頼者の収入とのバランスを考えてアドバイスをしてあげましょう。依頼者からさらなる信頼と勝ち取ることができますよ。

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