任意売却において司法書士はどこまで関与できるか? 債務整理時における不動産の任意売却への係わり方について解説します。
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こんにちは。
これまで5032件の借金問題を解決してきた、ひまわり司法書士法人の本松です。

この記事では、司法書士が不動産の任意売却にどこまで関与できるのか?司法書士の任意売却への係わり方という点について解説します。

主に自己破産の案件において、不動産を任意売却する必要性があるケースがあります。通常、自己破産前の任意売却では住宅ローンを完済できません。そのため債権者に抵当権抹消に同意してもらう必要があり、住宅ローン債権者との調整や交渉が必要になってきます。

今回のポイント

【任意売却における司法書士の係わり方のポイント】

  • 任意売却自体には司法書士は原則不要
  • 任意売却後に債務整理を行う場合は司法書士の関与が必要
  • 任意売却後の債務整理は自己破産とは限らない。個人再生、任意整理を選択する場合もある。
  • 任意売却案件を不動産会社に紹介すると関係性を構築できる
新人司法書士新人司法書士

住宅ローンの残債務は140万円を超えていることがほとんどだと思います。司法書士の代理権では債権者と交渉することはできませんよね?

司法書士の本松司法書士の本松

その通りです。そのため任意売却の債権者との条件調整は不動産仲介会社にお願いすべきです。信頼できる不動産仲介会社に依頼をして、依頼者と債権者の間に入る調整役をやってもらうのです。

新人司法書士新人司法書士

なるほど。それだと司法書士が債権者と交渉する必要はないですね。しかし信頼できる不動産仲介会社と付き合っておく必要がありますね。

司法書士の本松司法書士の本松

任意売却案件があるということは、不動産仲介会社にとっても媒介案件を獲得できることになります。開業したばかりで親しい不動産仲介会社がいない場合は、任意売却案件をきっかけに深い関係性を構築できますよ。任意売却案件というお土産を持って新規開拓営業を行うのもいいですね。

任意売却自体には司法書士は原則不要

不動産を任意売却する手続きにおいて、司法書士の関与は原則不要です決済の不動産登記には司法書士が関与します)。

任意売却するためには住宅ローン債権者の同意が必要ですが、そのための調整役は通常、不動産仲介会社が行います。そのため司法書士が介入する必要はないからです。

新人司法書士新人司法書士

司法書士が介入しないこともあるのですか?

司法書士の本松司法書士の本松

たまに不動産仲介会社からの任意売却の決済の依頼があることもあります。既に差押えが入っていて裁判所に差押えの抹消書類を受け取りに行く必要がある決済ですね。債権者との間で、残債務は分割払いで払う、親族が代わりに弁済してくれる等、既にその後の残債務の処理について話がついている場合があります。その場合は債務整理を改めて行う必要はありません。任意売却するからといって必ず自己破産するわけではありません。

任意売却で司法書士の関与が必要になるケース

任意売却で司法書士に依頼が必要になるケースは「任意売却後に債務整理が伴う場合」です。

任意売却後の自己破産というパターンが多いと思いますが、事情によっては任意売却後の個人再生や任意整理を行う場合もあります

新人司法書士新人司法書士

任意売却したのに個人再生を行うこともあるのですか?それなら任意売却せずに住宅ローン特則を利用して住宅を残せばよいのでは?

司法書士の本松司法書士の本松

依頼者のニーズは様々です。住宅は手放しても構わないけれども、自己破産で制限される職業(宅建、保険外交員等)に就いているので自己破産を選択できない、という依頼者もいます。

任意売却後に自己破産する場合

任意売却後に自己破産するのが、一番典型的なケースです。もちろん自己破産をする場合は他の債務もすべてまとめて申立てる必要がありますので、住宅ローンの残債務に限らず他の債権調査も必要です。

自己破産申立時には任意売却時の書類(売買契約書、代金・仲介手数料の領収書など)が必要になりますので、不動産仲介会社に協力してもらい書類関係はしっかり保管しておくようにしましょう。

任意売却後に個人再生する場合

イレギュラーなケースですが自己破産で制限される職業(宅建、保険外交員等)に就いている方は、任意売却後に個人再生を申立てる場合もあります。もちろん自己破産と同様に他の債務もすべてまとめて申立てる必要がありますので、住宅ローンの残債務に限らず他の債権調査も必要です。

個人再生申立時にも任意売却時の書類(売買契約書、代金・仲介手数料の領収書など)が必要になりますので、不動産仲介会社に協力してもらい書類関係はしっかり保管しておくようにしましょう。

任意売却後に任意整理する場合

任意売却後に任意整理を行う場合もあります。任意売却後の残債務は140万円を超えている場合が多いと思いますので、司法書士が直接扱う機会は少ないと思います。しかし他にも債務を抱えている場合、他の債務を司法書士が任意整理を行い住宅ローンの残債務は本人に直接債権者と協議をしてもらうケースや、住宅ローン残債務のみ弁護士介入してもらうケースも考えられます。

司法書士の本松司法書士の本松

このような場合に備えて柔軟に対応してくれる弁護士と関係性を築いておくことをオススメします。

任意売却案件を不動産会社に紹介すると関係性を構築できる

任意売却案件を不動産会社に紹介すると、不動産仲介会社は媒介案件を獲得できます。場合によっては自社で買い取ることもあるでしょう。そのため任意売却案件をきっかけに不動産仲介会社との関係性が深まったり、また不動産仲介会社の新規開拓営業に活用することもできます。

関係性が構築できるとその後に、通常の決済案件も任せてもらえる可能性も高まります。そのため任意売却案件をうまく活用すればその後の不動産登記案件を増やすことも可能なのです

新人司法書士新人司法書士

でも任意売却案件は大変そうだから引き受けてくれない不動産仲介会社もあるのでは?

司法書士の本松司法書士の本松

そうでもないですよ。もちろん物件にもよりますが、普通は引き受けてくれます。事務所の商圏内には不動産仲介会社は何社もあると思いますので、もし断られたら新規の会社を開拓すれば良いと思います。引き受けてくれる会社とはきっと良い関係性を構築できますよ。

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