司法書士は債務整理の初回相談でどこまで説明すべきか? 受任に繋がりやすいポイントをお伝えします。
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こんにちは。
これまで5032件の借金問題を解決してきた、ひまわり司法書士法人の本松です。

この記事では、司法書士は債務整理の初回相談で相談者にどこまで説明すべきかについて解説します。

債務整理の初回相談は無料で対応している事務所が多いと思います。その際に、無料でどこまで伝えるべきなのか、どこまでアドバイスすべきか判断に迷ってしまいますよね?

結論から言いますと、初回相談の段階からできるだけ細かく丁寧に説明をして、具体的な方針までアドバイスしてあげるべきです。

今回のポイント

【司法書士が債務整理の初回相談で依頼者に説明すべきポイント】

  • 債務整理の相談者はとても繊細で不安な気持ちを抱えているので、まずは安心を与えましょう
  • 債務整理を行わないと起こり得る危険性の指摘
  • 債務整理を行うことで得られる未来の提示
  • 債務整理の方針についてアドバイス
  • 債務整理の方針が決まったら個別の手続きについての説明
新人司法書士新人司法書士

できるだけ丁寧に細かく説明しないとダメですか?それだと相談だけで終わってしまい依頼に繋がらない気もしますが?

司法書士の本松司法書士の本松

そんなことないですよ。債務整理の相談者は不安な気持ちを抱えて相談に来ています。詳しく丁寧に説明することにより、解決までのプロセスが示されて相談者は安心します。しかも手続きの内容や問題点をしっかりと共有することで、「この人は手続きにとても詳しいな。」と信頼も得られ、結果的に受任率もアップしますよ。

債務整理の依頼者はとても繊細

債務整理の相談者はとても繊細です。相談の電話をかけるにしても、事務所に相談に来るにしても、実はとても不安な気持ちを抱えていることが多いのです。そこを意識して決して雑な対応をしないようにしましょう。まずは少しリラックスしてもらって、相談しやすい雰囲気になるように心がけることが重要です。

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あまり不安そうに見えない人もいますが、それでも不安な気持ちは持っているんですか?

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もし不安に感じていないのであれば、いくら専門家とはいえ他人である司法書士に自分の借金の内容なんて話したくないですよね。一見、そう見えない相談者であっても少なからず不安な気持ちは抱えています。

相談者の不安な気持ちに寄り添い過ぎるのも問題

しかし、だからと言って相談者の気持ちに寄り添い過ぎるのも良くありません。適切な距離感を心掛けましょう。

相談者の気持ちに寄り添い過ぎない方がいい理由
  1. 司法書士の精神的負担になる
    熱心な司法書士であればあるほど相談者の親身になって話を聞こうとしてしまいます。もちろんそれ自体は良いことだと思いますが、あまりに相談者の悩みを背負い込み過ぎるのも良くありません。心のどこかで「自分のことではない」という意識を持っていないと精神的に追い詰められてしまいます。
  2. 依頼者に「なめられてしまう」
    債務整理の中でも特に自己破産、個人再生業務では、依頼者に提出してもらう資料がたくさんありますし、聞き取りをしなければならない項目も多くあります。相談者の気持ちに寄り添い過ぎて友達感覚になられてしまうと、甘えが出てきてなかなか指示に従ってくれなくなることもあります。ある程度は「恐い先生」という印象を残しておき、権威性を保っておきましょう。「ダメなものはダメ」としっかり言える関係性がベストです。
  3. 話が長くなり業務時間が削られる
    相談者の気持ちに寄り添い過ぎてしまうと、相談者から業務に関係ない他の相談を持ち掛けられて収拾がつかなくなることがあります。もちろんある程度のことには対応すべきですが、許容範囲というものがありますので、あくまで適切な範囲で対応しましょう。

債務整理を行わないと起こり得る危険性の指摘

債務整理の初回相談時に、このまま何の債務整理手続きを取らなかった場合の危険性について相談者に説明しましょう。具体的には以下のような危険性の指摘です。

  • 延々と督促状が届く
  • 勤務先に連絡が来る
  • 裁判を起こされる
  • 給与や口座が差し押さえられる

債務整理の相談者は漠然とした不安を抱えています。そのため司法書士事務所に相談しているわけですが、その一方で「ひょっとしたらこのまま放置しておいても大丈夫かも知れない」と楽観視している場合もあります。

司法書士が冷静に説明して、債務整理を行わない場合の危険性を指摘することにより相談者に現状を把握してもらいましょう。

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「裁判を起こされる可能性はどれくらいですか?」と聞かれたらどう答えればいいでしょう?

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「分かりません。でも現実に裁判を起こされて給与を差押えられている方はたくさんいます。」とそのまま回答すべきです。誇張する必要はなく、淡々と事実と危険性を伝えることがポイントです。

債務整理を行うことで得られる未来の提示

今度は逆に、債務整理手続きを行った場合に得られる明るい未来を提示することも重要です。具体的には以下のとおりです。

  • 督促状が届かなくなる
  • 勤務先に連絡が来ることもない
  • (破産・時効援用の場合)借金がなくなる
  • (再生・任意整理の場合)無理のない金額で借金の支払いができる
  • 借金に悩まされない生活を送れるようになり心が楽になる

特に「心が楽になる」という点が重要です。借金に悩まされている相談者は、頭の中の大部分を借金問題で占められていると思います。「その悩みを解決できますよ」という一言の有無で、相談者への響き方もまったく変わってきます。

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「相談しただけで精神的に楽になりました。」と言ってくれる相談者は多いです。誰にも相談できない悩みなので、話をして吐き出すだけで安心するのだと思います。

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なるほど。明るい未来が待っていると希望を持たせることが出来れば、受任率も上がりますね。ところで「何年過ぎたらまたクレジットカードを作れますか?」と質問された場合はどう回答しますか?

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カードが作れるかどうかはそれぞれの会社の審査次第なので「わかりません。」という回答でいいと思いますよ。ただしそれだけだと不親切なので、信用情報についての一般的な説明はしておくべきですね。

債務整理の方針についてアドバイス

自己破産、個人再生、任意整理、時効援用のどの債務整理の方針を選択すべきかについても具体的にアドバイスを行いましょう。相談者の借入額、生活状況、収入、資産を総合的に判断して、もっとも合理的な債務整理方針についてその理由も説明しながら行うと良いでしょう。

特に自己破産の場合、所有不動産、制限を受ける職業(国家資格)などの阻害事由がありますので、それを踏まえたアドバイスが重要です。

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どの手続きについて選択で迷うことが多いですか?

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「自己破産か任意整理」「自己破産か個人再生」というパターンが多いですね。債権者が複数に及ぶ場合、「時効援用と任意整理(が混在)」または「(すべてまとめて)自己破産」という選択肢が生まれる場合もあります。

債務整理の方針が決まったら個別の手続きについての説明

債務整理の方針が絞れたら、それぞれの個別の手続きについて詳しく説明しましょう。この時点で1つに絞れている必要はなく、選択肢が2つの状態でも問題ありません。例えば自己破産か個人再生かで相談者が悩んでいるのであれば、それぞれの手続きの説明と、目の前の相談者が手続きを行った場合のメリット、デメリットを詳しく説明しましょう。

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それでもどの手続きにするか決まらない場合はどうすればいいでしょう?

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その場合は最も可能性が高そうな手続きで依頼を受け、とりあえず返済をストップさせましょう。債権調査の結果、必要に応じて方針変更すれば良いと思います。思ったより債務額が大きい、小さいということは有り得ますので、受任段階で方針を固定させる必要はありません。

まとめ

以上、司法書士が債務整理の初回相談で依頼者にどこまで説明すべきかについて解説しました。

今回のポイント

【司法書士が債務整理の初回相談で依頼者に説明すべきポイント】

  • 債務整理の相談者はとても繊細で不安な気持ちを抱えているので、まずは安心を与えましょう
  • 債務整理を行わないと起こり得る危険性の指摘
  • 債務整理を行うことで得られる未来の提示
  • 債務整理の方針についてアドバイス
  • 債務整理の方針が決まったら個別の手続きについての説明

司法書士が債務整理の初回相談を行うのは、当然案件を獲得したいからです。案件を獲得するためには、相談者の信頼を勝ち取る必要があります。債務整理の相談者から信頼されるためのコツは、情報を出し惜しみせず全力でアドバイスすることです。

債務整理の相談者は繊細です。少しでもいい加減な対応をしてしまうと「親身になってくれなそう」「実はあまり詳しくなさそう」といったマイナスイメージを持たれてしまい、結果的に案件獲得を逃してしまいます。全力でアドバイスを行うことで、司法書士は案件を獲得でき、相談者は借金問題解決に前進するというwin-winの関係を目指しましょう。

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