破産申立時の債権調査票は申立てに使いやすい! 取引履歴が届いていてもすべての債権者に書いてもらいましょう!
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こんにちは。
これまで5032件の借金問題を解決してきた、ひまわり司法書士法人の本松です。

この記事では、破産申立時の債権調査票について解説します。破産申立時に債権調査票があると、とても使い勝手が良いです。債権者から取引履歴等の債権書類が届いていても、申立前に債権調査票を改めて提出してもらいましょう。

今回のポイント

【破産申立時の債権調査票の解説】

  • 債権調査票とは破産申立に必要な範囲内で債権の内容を詳細に記載したもの
  • 破産申立時の債権調査票の記載項目は、債権の種類、債務者の地位、取引内容、債権残高、債務者の破産又は免責に関する意見
  • 破産申立時の債権調査票を基に債権一覧表を作成するとやりやすい
新人司法書士新人司法書士

取引履歴があれば債権額が判明しますよね?それでも改めて債権者に債権調査票を提出してもらう必要がありますか?

司法書士の本松司法書士の本松

確かに取引履歴等の書類でも破産申立は可能です。しかし債権調査票があると「債権者一覧表」をスムーズに作成することができるので、あった方がとても便利ですよ。

破産申立時の債権調査票とは?どんな役割があるのか?

債権調査票とは債権者に書いてもらう書類で、破産申立に必要な範囲内で債権の内容を詳細に記載します。債権調査票はそのまま裁判所に提出することになり、破産者に配当に回る財産がある場合には債権調査票に記載されている債権額に応じて配当がなされるため、重要な書類となっています。

破産申立時の債権調査票の記載内容

債権調査票には次の記載項目があります。

債権調査票の記載項目
  • 債権の種類
  • 債務者の地位
  • 取引内容
  • 債権残高
  • 債務者の破産又は免責に関する意見

    それぞれの項目につき解説していきます。

    債権の種類

    どのような種類の債権であるのかを記入します。貸付金、立替金、売掛金、保証金などから該当するものを記載します。

    債務者の地位

    申立人が、借金を借りた本人であれば「主債務者」、借金をしている保証人であれば「保証人」となります。主債務者の場合は、保証人の有無について記載し、有の場合は保証人の氏名も記載します。また、保証人の場合は主債務者の氏名を記載します。

    取引内容

    実際にどのような取引によってその債権が発生しているのかを明確にするために、下記の項目を記載します。

    • 最初の貸付日及びその金額
    • 最後の貸付日及びその金額
    • 最後の返済日及びその金額

    一度しか貸していない場合には「最後の貸付日」の項目は空欄にしておいて構いませんし、一度も返済をしてもらっていないような場合には「最後の返済日」の欄は空欄のままで提出して問題ありません。

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    破産申立時に作成する「債権者一覧表」には、これらをすべて記載しなければなりません。債権者から債権調査票の提出があればそのまま記入すればいいので、とても便利なんです。

    債権残高

    債権の金額やその内訳の詳細を明確にするため、次の項目を記入します。

    • 残元金
    • 利息
    • 遅延損害金
    • (上記3点の)合計

    このうち利息・損害金については日割計算で増額していくのが一般的です。債権調査票に記載する利息・損害金も、調査票の作成日によって数字が変動しますので注意が必要です。

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    いつ頃の日付で作成してもらうのが良いのでしょうか?

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    裁判所からそこまで細かく日付について指摘されることは少ないと思います。申立前2~3ケ月前であれば問題ないですよ。

    債務者の破産又は免責に関する意見

    債務者の破産や免責について何か言いたいことがあったり、裁判所に対して何か要望があったりする場合に記入します。しかし記載する内容は単なる不満などではなく、「秘匿財産があるから配当に回せるはずだ」「一度も返済していないから免責は不相当だ」など、債務者の財産や免責不許可事由に関することについての意見申述を記載します。

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    実際に意見を言ってくることはありますか?

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    特段の事情がなければ、金融機関の債権者から意見が出ることはありません。個人債権者がいる場合は「納得できません」等の意見を書いてくることもあります。

    破産申立時の債権調査票を基に債権一覧表を作成するとやりやすい

    破産申立の際にはすべての債権者とその債権の内容を記載した「債権者一覧表」という書類を申立書と併せて提出します。裁判所は、提出された債権者一覧表により、申立人の負債状況を把握します。

    債権一覧表も債権調査票と同様に、取引内容、残高、借入時期、最終返済日などを記入するため、債権調査票を基にすることで債権一覧表を作成が楽になります。

    取引履歴を提出した債権者にも債権調査票を書いてもらおう

    一般的に銀行、貸金業者、債権回収会社などの金融会社にはこの債権調査票を送らなくても、それぞれの独自の書式で債権の内容を記載した書面「取引履歴」を送ってくれます。

    取引履歴では債権者一覧表に記載する情報がすべて記載されていないことも多く、債権者にひとつひとつ電話で確認しないといけません。その為取引履歴の提出があった債権者であっても、改めて債権調査票の書式に書いてもらった方がその後の手続きが楽になります。

    金融関係以外の債権者は債権調査票の書き方に不慣れ。書き方を指示してあげましょう。

    自己破産などの債務整理に慣れていない一般の会社や個人などの債権者は、独自の書式の用意がない可能性があります。こちらから債権調査票を送り、「記載して送り返してください」とお願いすることでスムーズに手続きを進めることができます。但し書き方が分からない場合があると思いますので、記載例を同封するなど、書き方を指示してあげた方が、しっかり記入してくれます。

    債権調査票を提出してこない債権者がいた場合の対処方法

    金融機関では有り得ませんが、それ以外の一般債権者(特に個人)から債権調査票の提出を拒まれるケースもあります。債権者が債権調査票を送ってこない場合、申立人からの申告で「いくら借りています」という説明を記載した報告書を債権調査票の代わりに提出しましょう。

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    借用証書などの証拠書面があればそれも一緒に提出しましょう。

    まとめ

    以上、破産申立時の債権調査票について解説しました。

    今回のポイント

    【破産申立時の債権調査票の解説】

    • 債権調査票とは破産申立に必要な範囲内で債権の内容を詳細に記載したもの
    • 破産申立時の債権調査票の記載項目は、債権の種類、債務者の地位、取引内容、債権残高、債務者の破産又は免責に関する意見
    • 破産申立時の債権調査票を基に債権一覧表を作成するとやりやすい

    破産申立時に債権調査票があると、債権の内容がわかりやすくなりますし債権者一覧表の作成も楽になります。書類を確認する裁判所も債権の全体像が把握しやすくなりますので、裁判所からも喜ばれます。破産申立は作成する書類が多くなりますので、少しでも効率が良くなるように債権調査票を活用しましょう。

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